卒業証明書の領事認証
最終更新日:2025年1月5日 行政書士 勝山 兼年
外国で就業許可取得のために卒業証明書の提出を求められます。
中国やベトナムで働く際には現地外国人労働を監督する機関からのに就業許可“WORK PERMIT”が必要となります。許可取得の審査の際に本人にかかわる書類として卒業証明書の提出を求められ、その卒業証明書には外務省アポスティーユ又はその国の領事認証を付すよう義務付けられています。
注意点として学歴にかかわる卒業証明書などは学校の教務課で発行されたものでなくてはなりません。日本国外務省が公印確認、してくれないのです。コンビニエンスストアなどで「証明書学外発行サービス」や「POPITA」などを利用して便利に取得できますが、それらの証明書は受け付けてもらえません。
卒業証明書に領事認証を受ける手順
卒業証明書の領事認証取得手続き流れ
◆学校教務課で証明書発行を受ける。 | |
◆外務省にて公印確認を受ける。 |
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◆駐日外国大使館・総領事館にて認証を受ける。 |
公証役場での認証が必要となる場合
日本の学校の教務課で発行された証明書には外務省が直接公印確認をしてくれます。ただし下記の書類についてはその旨だはありません。
- 専門学校など学校教育法に定める学校以外の専修学校
- 日本国以外の外国の学校
また、学位記や卒業証書に認証付す場合は、大切な原本を提出するわけにはいかないので、写しに認証を付す場合でも外務省は直接写しに公印確認してくれるものではございません。
上記の外務省は直接公印確認しない書類を私文書としております。私文書への認証は、先ず公証役場にて宣言書を添えて認証を受けることになります。学校教育法の学校が発行した証明書であっても提出国の翻訳文を付けて認証を受ける場合も、上記と同様に公証役場の認証が必要となります。
尚、領事認証ではなくアポスティーユ取得の場合は学校教育法の学校であってもすべて公証役場での宣言書を付けての認証となります。
海外在住の方の学位記写や卒業証明書の翻訳文の領事認証取得代理について
海外在住の方で、学位記の写しや卒業証明書の翻訳文の領事認証取得は日本でしなくてはなりません。学位記の写しや卒業証明書は私文書にあたりますので公証人役場での認証も必要です。この公証役場での認証手続きを代理でする場合、委任状と印鑑証明書を添えて申請せうることになりますが、日本の住民登録を抹消している方は日本国籍、外国籍の方にかかわらず印鑑証明書はは行されません。そこで、日本国籍の方は在外公で署名証明書、外国籍の方はNOTARY PUBLIC OFFICEでサイン証明書の発行を受けて印鑑証明書の代わりとしてください。
卒業証明書の発行手続き
過去に留学経験があり日本の大学、専門学校を卒業した者が現在は日本に在留していない場合、海外に居たまま卒業した学校から卒業証明書や成績証明書のは行を依頼しても、海外には発送してもらえません。そこで、領事認証やアポスティーユ手続きの代行業者に卒業学校教務課から受取ってもらうと便利です。証明書の発行申請や料金お支払い方法などは、各学校により様々です。オンラインで申請できるところもあれば、郵送申請しか対応していないところもあります。
卒業証明書の領事認証及びアポスティーユ取得事例
- 中国就業許可のためのアポスティーユ手続き
食品メーカー勤務のFさんは、中国浙江省の現地合弁会社での勤務のために中国に駐在していました。この度、中国国内の別の会社に異動することとなり、改めて就業許可をとることとなりましたので、Fさんの卒業証明書にアポスティーユを付して提出すようにと中国の機関から要請がありました。Fさんは日本の代理業者に手続きの代行を依頼しましたが、日本に住民票がないため印鑑証明書が発行されません。そこで、在中国の日本国総領事館に出向き署名者証明書の発行を受け、宣言書とともに日本の代理業者に送りました。卒業証明書は学校の教務課に依頼し、直接代理業者宛ての送付してもらいました。代理業者は公証人役場にて宣言書を重ねた卒業証明書に公証人印象を受け、ワンストンプサービスを利用してその場で外務省アポスティーユも付してもらいました。代理業者から送られてきた証明書を提出し、Fさんの就業許可がなされました。
- 日本の大学を卒業した中国人の卒業証明書アポスティーユ手続き
中国人のAさんは日本に留学し大学を卒業しました。中国帰国後、外資系の会社に就職するにあたり、大学の卒業証明書と成績証明書の提出を求められました。その証明書には日本国外務省のアポスティーユも付す必要があるとのことです。Aさんは容易に日本に行けないので、代行業者にアポスティーユ手続きを依頼することになりました。学校の証明書類は私文書に該当するので公証役場での認証が必要です。公証役場での代理人を通じての申請では委任状が必要で、通常は印鑑証明書を添付することになります。Aさんは日本に住民票が無く印鑑証明書が用意出来ないので、代行業者からの指示で、中国公証処発行の署名声明書を送りました。また、学校の証明書は中国からオンライン申請で発行してもらい、直接代行業者に送付してもらいました。Aさんから送られた書類と学校より送られた書類を持って、代行業者は公緒役場に出向き、公証人認証とワンストンプサービスを利用しての外務省アポスティーユも付してもらいました。手続きを終えた証明書類がEMSにてAさんのもとに送られてきました。