中国提出私文書のアポスティーユ


最終更新日:2024年12月7日   行政書士 勝山 兼年





私文書のアポスティーユ取得手続き

 官公所などから発行されたものでなく、契約書など私的に作成された文書、証明書の中国語訳文や卒業証明書の発行が困難で、卒業証書の写しをアポスティーユ申請する場合は、私文書となりますので外務省ではアポスティーユをしてもらえません。先に公証人役場にて公証人認証(公証)を受ける必要があります(写しや翻訳文には内容に間違いない旨の宣言文書に公証)。その後の外務省での手順は公文書の場合と同様です。




私文書のアポスティーユ取得手続き流れ

◆各種契約書や翻訳文を作成する。
◆公証人役場にて認証をうける。(一部地域では同時に公証人役場にて外務省公印確認もなされます。)
◆法務局にて法務局長による公証人押印証明をうける。(地域によって必要ない場合がございます。
◆外務省にてアポスティーユを受ける。

私文書の例

 委任状、委託書、授権書、声明書、譲渡承諾書、取締役会議事録、会社役員就任承諾書、法定代表人身分証明書、履歴書、 訴状

法定代表人身分証明書

宣言書とは

 宣言書とは認証を受けたい書類に認証を受ける人物の署名がないものに対し、別途その書類の内容に間違いない旨の宣言をしたものです。公証人役場では認証を受けたい書類と宣言書を一体にして認証することで書類の発行者でなくても認証受けることができる仕組みなのです。

宣言書が必要な書類の例

 勤務先が発行した在籍証明書、取引銀行が発行した残高証明書、卒業した大学が発行した学位記の写し、日本国政府が発給したパスポートの写しなど

宣言書

※尚、専門学校以外が発行した卒業証明書は公文書に当てはまりますので公証人認証自体が不要です。


 代理人が公証役場に出向いて認証を受ける場合

 代理人が「本人が自分の署名又は記名押印したものに間違いないことを認めている。」ことを公証人に陳述し,本人の署名又は記名押印について認証を受けることができます。 この場合は委任状が必要です。委任状には本人が実印で押印し,印鑑登録証明書の添付を要します。法人の場合には,法人の登記事項証明書,及び印鑑証明書が必要です。

アポスティーユ取得の流れ

公証人役場(務省アポスティーユ含む)手続き代行費用報酬と要する期間



手続き代行内訳※1 日数 公証役場手数料(円)※2 報酬(円)※3
公証人認証(外務省アポスティーユ含む) 即日受取 日本語文:5,500 25,000
外国語文:11,500
公証人認証・アポスティーユ取得代行手数料・報酬(証明書1部当たり)
  • ※1.アポスティーユ済み証明書類の返送先が海外の場合は4,400円加算させていただきます。
  • ※2.外国文書の公証人認証の場合は手数料が一部当たり6,000円が加算されます。
  • ※3.2通目以降は1通あたり弊所報酬の3,300円が加算となります。
  • ※中国語への翻訳も別途承ります。

私文書の公証人公証、アポスティーユ取得代行手続きの流れ

STEP1

◆メール・お電話にてご依頼

  書類の種類、返送先(国内か海外か)、書類の使用目的などをお知らせください。代行報酬・費用のお見積りをさせて頂きます。(ご依頼いただけましたら、書類送付先、送付書類、送金額及び振込先をご案内します。)


STEP2

◆「認証取得代行についての委任状」に代表者様のご署名・代表印の捺印のうえ、証明書書類の他下記必要書類を当事務所にご送付お願いします。

  個人の場合

  • 依頼者様のパスポート又は運転免許証のコピー(必須)
  • 委任状(依頼者様押印)

  法人の場合

  • 法人登記事項証明書
  • 法人印鑑証明書
  • 代表様のパスポート又は運転免許証のコピー(必須)
  • 委任状(代表印押印)

STEP3

◆報酬及び公証役場手数料のお振込みをお願います。

 入金確認と証明書類省類が当事務所届きましたら手続きを着手させて頂きます。

STEP4

◆私文書につての宣言文を公証人役場にて公証を受けるする。

 (手数料は日本語での公証は5,500円/部、外国語での公証は11,500円)公証人役場にて外務省のアポスティーユ(※)までなされます。委任状には実印を押印しますので、印鑑証明書も添付します。

STEP5

◆認証取得済みの証明書を依頼者様に郵送します。

 手続き開始後数日で公証人役場でのアポスティーユ取得が完了します。

※東京都内、神奈川県内、静岡県内、愛知県内、大阪府内、北海道(札幌法務局管区内)、宮城県内、福岡県内の公証役場では法務局での公証人押印証明及び外務省公印確認が同時になされるワンストップサービスがあり手続きの時間が短縮されます。



公証人認証サンプル

中国提出の私文書アポスティーユ取得事例

中国裁判での弁護士委状と法定代表人身分証明

 アパレルメーカーのM社は中国で商品の販売をしていたところ、コピー商品が出回り、ブランド力を著しく既存されました。そこで商標権侵害についての訴訟を、コピー商品製造元に対してすることになり、中国現地の弁護士に依頼しました。弁護士からは弁護士にちに対しての委任状と委任者がM社の代表者であることの法定代表人身分証明を作成し、外務省アポスティーユを得たうえで、裁判所に提出するとの指示がありました。M社法務部担当者は、中国の弁護士から提示されたひな型にそって、それらの文書を作成し、代表取締役の記名押印を付しました。そして、行政視書士に外務省アポスティーユ取得を依頼しました。委任状及び法定代表人身分証明はいずれも私文書ですので、依頼を受けた行政書士は公証人役場での公証人認証を受け、ワンストンプサービスを利用してその場で外務省アポスティーユを付してもらいました。手続きは一日で完了しました。


法定代表人身分証明
中国不動産取引での委託書

 中国人で在留資格が永住者のRさんは、中国国内にマンションを保有しておりました。Rさんは中国に戻る予定が無く、マンションを売却したいと望んでいたいたところ、買い手が見つかったと中国で暮らすRさんの妹から連絡がありました。Rさんは売買の条件に不満が無く、売却を決断しました。そこでRさんの妹を代理人として手続きを進めることにしました。Rさんの妹は仲介業者から売買契約について、Rさんを委任者、Rさんの妹を受任者とする委託書を作成してくれました。この委託書にはRさんの署名と、外務省アポスティーユが必要とのことでした。Rさんは行政書士に外務省手続きを依頼しました。委託書は私文書にあたりますので、依頼を受けた行政書士は公証人役場にて公証人認証を受けました。そして、ワンストンプサービスを利用してその場で外務省アポスティーユ取得まで手続きを済ませました。行政書士はRさんから書類を受け取って、数日で書類を返送しました。





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