海外在住の方からの認証・アポスティーユ手続き代行
最終更新日:2025年1月11日 行政書士 勝山 兼年
印鑑証明書が無い方の代理申請の方法
委託書や声明書、翻訳文書などの私文書のアポスティーユ、領事認証は私文書にあたるため代理で申請する場合、公証人役場では委任状に実印を押印し、印鑑証明書も提出しなければなりません。日本人、外国人に関わらず日本国に住民票がある方は、容易に印鑑登録できますので印鑑証明書の発行を受けられます。しかし、海外在住で日本国に住民票が無い方は、印鑑証明書が無いのでそれに代わる証明書類の提出が求められるのです。公証人役場が求める証明書類は日本国籍者とそれ以外では異なります。日本国籍者は在外公館で発行してもらう署名者証明書、外国籍者は外国のNOTARY機関が発行するサイン証明書です。
日本国籍者のための署名証明とは
日本国外務省が日本に住民票が無い、日本国籍者のために印鑑証明書のかわりに発行してくれるものです。日本人が外国に移住した場合、日本の住民登録を抹消してしまうと、印鑑登録も抹消されるのです。そこで印鑑証明書に変わるものとして海外にある日本国大使館領事館に申請者が出向き「申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するもの」として発行してもらうのです。単独で証明書として発行される場合と委任状などと一対にして綴り合わせて割り印付きで発行するのもあります。どちらの方法で発行してもらうかは提出先の判断になりますが、公証役場では単独で発行してものでも受け付けてくれる可能性が高いです。単独で発行してもらっておけば、認証対象署名んが追加するなど委任状の内容に変更がある場合でのいにんじょうの修正だけで済みます。委任状と一対にした署名証明書でしたら、委任状の内容変更があれば、署名証明からやり直いさないといけないからです。
署名証明の手順
署名証明は領事の面前で行います。予約を取ってパスポートを持って在外公館に出向いて署名捺印を行います。委任状などのを綴り合わせの書類にも領事の前で署名捺印しなければなりません。手数料は1通につき1,700円です。
外国籍の方のサイン証明
外国籍が留学時に卒業した専門学校や大学などの卒業証明書や成績証明書、修了証明書などをアポスティーユを受けて、機関に提出することを求められることもあります。外国籍の方は日本国在外公館での署名証明は行えませんので、代わりにその国のNOTARY機関でサイン証明書の発行を受けて、印鑑証明書の代わりとします。中国の場合は公証書で署名声明公証書がは発行されます。省によっては押印が本人のもので間違いない旨の声明書を発行してくれる場合がございます。委任状にはそれぞれに応じて、署名または押印をしてもらって下さい。
これらサイン証明には日本語訳文も付けておかなければなりません。
海外在住者のアポスティーユ取得事例
- 中国で就業許可を取り直すことになった。
日系の自動車部品メーカーで中国広東省でマネージャーの仕事をしていたSさんは、中国資本の同業他社に転職することになりました。そのうえで改めて労働許可を取り直すことになり、犯罪経歴証明書と卒業大学からの成績証明書をの取得してアポスティーユを付して提出することになりました。日本でのアポスティーユ取得手続きは代理業者に手続きを依頼する事にしましたが、日本の住民登録を抹消していたSさんには印鑑証明書を用意することができませんでした。代理業者の指示で在広州日本国領事館に出向き、署名証明書の発行を受け、印鑑証明書の代わりとしました。
Sさんは犯罪経歴証明書取得のために一時日本医帰国し、警察本部での発行申請をして中国に戻りました。代理業者には犯罪経歴証明書の受取票と大学発行の成績証明書、そして、委任状と署名者証明を渡しました。代理業者は署名証明書を使って公証人役場で成績証明書の公証人認証を済ませ、そして、外務省での犯罪経歴証明書とともに外務省アポスティーユも取得しました。アポスティーユ取得済みの証明書が中国のSさんのもとにEMSにて届けられました。
- 元留学生が就職のために必要な学校証明のアポスティーユ
中国人Cさんは、以前、日本の大学に留学していた経験がありました。この度、香港資本の会社で働くことになり大学の修了証明書に日本国外務省のアポスティーユをふして提出するよう就職先から要請がありました。Cさんは気軽に日本に行けそうにないので、代理業者に委託することにしました。代理業者からの指示で、公証処で署名声明公証書の発行を受け、それには日本語訳文も付けてもらいました。修了証明書は卒業大学のオンライン証明書交付手続きを利用し、発行後の証明書の送付先を 代理業者宛てにしました。代理業者には中国のCさんから委任状と署名声明公証書人が送られてきました。また、大学より修了証明書も送られれて来ました。代理業者はそれら書類を公証役場に持ち込み、公証人認証とワンストンプサービスを利用しての外務省アポスティーユを付してもらいました。Cさんのもとには外務省アポスティーユ付きの修了証明書が代理業者から届けられました。