中国人との結婚後の婚姻届受理証明書アポスティーユ取得

最終更新日:2025年1月9日 行政書士 勝山 兼年
先に日本で婚姻届をした後の中国側手続き
中国人との結婚手続きにおいて、先に日本側で婚姻届をした場合、中国側にも結婚の報告をしなくてはなりません。在日本の中国領事大使館・領事館では結婚の関する証明書は発行してもらえません。そこで、中国本国の政府機関に直接報告することになるのです。
中国の報告先
具体的な報告先は中国人本人の本籍を管轄する公安局派出処です。この報告手続きには中国人のみで行えますので、日本人の渡航は不要です。日本での結婚を報告すると、中国人本人の戸口簿の結婚状況欄が「未婚」から「既婚」に書き換えられるのです。そのことによって、中国人は独身ではないことが中国政府の知ることとなります。中国の法律では外国でした正式な結婚は中国でも法律上の結婚と見なすとなっています。しかし、行政に外国人との結婚の報告がなければ、いつまでも独身状態ですので不便になるのです。

公安局派出処に提出するのは日本での婚姻届をした市役所が発行する「婚姻届受理証明書」です。この婚姻届受理証明書はそのまま公安局派出処に提出しても受け付けてもらえません。証明書が間違いのないものである旨のお墨付きとしてアポスティーユを受けなくてはならないのです。アポスティーユは日本国外務省での手続きとなります。
婚姻届受理証明書のアポスティーユ手続き
婚姻届受理証明書は公文書ですので、直接日本国外務省でアポスティーユを受けることができます。アポスティーユ手続きにおいて日本人本人ができない場合は、結婚相手の中国人が申請人となってもかまいません。

中国で結婚手続きをする手順

中国側での結婚手続き流れ
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◆市役所にて婚姻届受理証明書の発行を受ける。 |
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◆外務省にてアポスティーユを受ける。 |
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◆中国人配偶者が公安局派出所にて戸口簿の記載変更手続きをする。 |
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◆中国人配偶者が公証処にて記載変更後の戸口簿の公証書を発行してもらう。 |

在留資格申請での提出書類
既婚が記載された戸口簿を中国公証処に提出して日本語訳付きの公証書の発行を受けてください。この公証書を出入国在留管理局に中国側結婚証明書類として提出することになります。。

婚姻届受理証明書のアポスティーユ取得事例
- 中国在住中国人との結婚手続き
日本人WさんはSNSで知合った離婚歴のある中国人女性Xさんと交際を深め結婚することになりました。Xさんから送られてきた書類をもって、Wさんは自身の本籍地役場で婚姻届をして、婚姻届受理証明書の発行を受けました。Wさんは外務省にも出向き婚姻届受理証明書にアポスティーユを付してもらいました。Wさんはアポスティーユ付きの婚姻届受理証明書をEMSを使ってXさんに送りましました。証明書を受け取ったXさんは受け取った証明書を公安局派出処に提出し、自身の戸口簿の婚姻状況欄を「離婚」から「再婚」に書き換えてもらいました。書換後の戸口簿をもって公証処を訪れたXさんは戸口簿の公証書を作成してもらいました。Xさんは公証書のほか身分にかかわる証明書をEMSでWさんに送りました。WさんはXさんから送られてきた書類などを出入国在留管理局に提出し、「日本人の配偶者等」の在留資認定証明書交付申請をし、一か月ほどで認定証明書が交付されました。認定証明書を使ってビザの発給を受けたXさんは日本に入国し、二人の結婚生活が始まりました。